略縁起
当山は、弘法大師の開基であり、大師後壮年のころ、善通寺と曼荼羅寺の間に伽藍建立の霊地を探していた時、当山の岩窟より現われた老聖者のおしえに従い毘沙門天の尊像を岩窟に安置し、閼伽を供えられました。
その後、弘仁12年日本一の大池である満濃池築造の別当に任ぜられました。大師自ら指揮監督するや、さすがの難工事もわずか3ヶ月で修築完成されました。朝廷は、大師の功に対して金二万銭が勅施され、大師はその賞の一部をもって当山の堂塔を建立し、薬師如来を本尊とし安置し、医王山と号しました。又毘沙門天出現の地に対して当山の山の勢望が自然と毘沙門天の甲冑に等しく多宝院、甲山寺と称しています。本尊薬師如来は如来像のうちでも特に優作とされています。
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