略縁起
東山瑠璃光院繁多寺は孝謙天皇勅願、行基菩薩開基で、今を去る約千二百年前天平勝宝年間に建立されました。後、弘仁年間に弘法大師は当寺に留錫され、その後、源頼義が再興し、後宇多天皇の弘安二年には、闌誌辮lが勅命を受け、当時の国難蒙古襲来の退散祈祷を行いました。この闌誌辮lと同時代の時宗の開祖一遍上人は、当寺参籠の際、浄土三部経を納めました。その後、京都泉涌寺代二十六世快翁宗師は、後小松天皇の応永元年に綸旨を受け、当寺の第七世となられました。この泉涌寺は御寺ともよばれ皇室の菩提寺であります。この因縁で当寺には十六弁の菊の御紋章のついた瓦が残されています。
なお、当寺に奉祀されている歓喜天は徳川四代将軍家綱の念持仏、元禄九年鋳造の梵鐘の願主は法雲律師であります。
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