略縁起
弘仁六年弘法大師がこの地を巡錫しているとき、梅雨のため蒼社川の水が氾濫していました。
大師は川原に檀を築き「土砂加持」の秘宝を七座厳修されましたところ、満願の日にご本尊延命地蔵菩薩が空中に出現したといいます。
大師は示現せられた地蔵尊を刻まれて本尊とせられました。二尺四寸(八〇センチ)座像の秘仏でありましたが、一寺を建立して本尊を安置し、延命地蔵経十大願の第一「女人泰山」から寺号をとられ「泰山寺」と名づけられました。
往古は、裏山に寺があり、七堂伽藍がととのい塔中に地蔵坊、不動坊等十坊を有した程の巨刹でありましたが、度重なる兵火に焼かれ今日に至ったのであります。
泰山寺の横の「塔の元」と言う所に華厳学僧凝然大徳の御誕生推定地があります。
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